中国中央広播電視総台の2026年春晩(春節<旧正月>を祝う中国の国民的年越し番組)は、文化性と先端技術が融合した演出で注目を集めた。なかでも16機の「空飛ぶタクシー」が編隊を組んで離陸し、空中から舞台を照らした圧巻のシーンは、多くの視聴者に強烈な印象を残した。
これらの「空飛ぶタクシー」は、広州市黄埔区の地元企業である億航智能が独自開発したEH216-S自動運転有人航空機であり、eVTOL(電動垂直離着陸機)に分類される機体である。
春晩の舞台で披露された16機のEH216-Sによる同時公開飛行は、自動運転有人eVTOLとしては同時飛行数で過去最大規模となり、新春の祝賀ムードの中で中国における低空経済の発展力を象徴的に示すものとなった。
現在、全国初となる民間用自動運転有人航空機の運航資格証明(OC)を取得したEH216-Sの運航事業者は、広州市および合肥市の2都市において商業試験運航を開始している。
億航智能は多様な製品ポートフォリオを構築している。春晩に登場したEH216-Sのほか、航続距離200キロメートル以上の長距離型機体VT35、高層建築物向け消防モデルEH216-F、物流型無人航空機、指揮管制センター、さらにはドローン編隊飛行事業などを展開している。さらに、同社子会社の億航白鷺が運用するGD4.0ドローン編隊2万2580機も2026年春晩に登場した。同編隊は既存のドローン編隊飛行の同時飛行数記録を更新し、「単一コンピューターによる最多無人航空機同時飛行」としてギネス世界記録に認定された。