スマート盲導犬「小蒜(ショウサン)」
このほど、広州・黄埔区の人工知能(AI)企業「小蒜科技」が独自に開発した、世界初の軌道交通用スマート盲導犬「小蒜(ショウサン)」が、深セン地下鉄で先行的にテスト運用を開始するとともに、広州白雲国際空港第3ターミナル(T3)でも実証実験が行われた。
小蒜科技の責任者は、「当社が独自に開発したマルチモーダル3Dボクセルニューラルネットワーク複合センシング技術は、環境認識の鍵となる」と述べた。この技術はマシンの「感覚器官」に相当し、レーザーレーダーや視覚カメラ、超音波など複数のセンサーから得られるデータに基づき、リアルタイムで周囲環境の高精度な三次元モデルを生成することが可能となる。段差や消火栓といった静止物に加え、歩行者や自転車、ペットなどの動く物体、さらにはガラスカーテンウォールや垂れ下がった枝など、従来の盲導技術では課題とされてきた障害物についても、効果的に識別可能である。また、頭部に搭載された360°オブジェクト認識システムにより、死角のない全方位の視野を確保している。
従来の盲導犬(動物型)は、約30万元の育成費用がかかるほか、長期にわたる高額な維持費を伴う。これに対し、スマート盲導犬の販売価格はわずか3万元に抑えられており、日常の充電のみで運用可能であるため、利用者にとって経済的・管理的な負担を大幅に軽減できる。これは、テクノロジーがもたらす「包摂性」の本質を体現するものと言える。